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世界アルツハイマー病会議に参加してきました

去る7月10日から14日まで世界アルツハイマー病会議( ICAD)に参加してきました。この学会はアルツハイマー病の研究者が年に一回世界中から集まり、最新の研究成果や今後の研究の方向性を話し合うもので、今年はホノルルのハワイ会議場で行われました。群馬大学神経内科からは、岡本教授、池田講師、牧岡医師(現老年病研究所附属病院勤務)と私の計4名が参加しました。





今回の学会では早期診断法の開発が大きなテーマの一つになりました。この背景には期待の大きい治療薬の開発が進みつつあることがあります。これら開発中の治療薬は現在広く服用されているものより、より根本的に病気の進行を停止させる力が強い可能性が大きいものです。アルツハイマー病は長い年月をかけて脳の神経細胞が徐々に死んでいく病気ですから、薬を飲み始めるタイミングとしては、まだ生き残っている神経細胞の数が多い病気の初期が望ましいと考えられます。ところが、現在の医学では早期にアルツハイマー病の診断をつけることがかなり難しいのが現状です。今回の学会ではこの点を克服するために新しい診断ガイドラインの提唱が行われました。また、より早期に診断する検査法として期待されているアミロイドイメージング法の臨床試験が、大変順調であることも報告されました。この検査は簡便で、患者さんへの侵襲も少ないことから、やがて我が国でも広く普及するものと考えられます。ただし、こうした研究はまだ実験・検査段階のものですので、本格的な実用にはもう少し時間がかかることにはご留意をいただきたいと思います。 (山崎恒夫)

 

 

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